高速なメッシュWiFiとして非常に高い評価を得ている「Netgear Orbi」。その理由はトライバンド仕様だということですね。
性能的には間違いないのですが、購入に踏み切れない理由がとても高額ということ。。。
同じく大人気のTP-LINKのメッシュWiFi「Deco M5」に比べると2倍近いお値段でなかなか手が出ませんでした。
DECO M5はデュアルバンドなので価格だけで比べてはダメなんですけどね。
そんな高価だったNetgear Orbiに廉価版が仲間入りしました!!
価格は大幅に下がりましたがトライバンド仕様!スゴイ!!
この記事では新登場したNetgear Orbi Microと従来製品の比較。またデュアルバンド仕様の他社品との違いを解説します。
もくじ
OrbiとOrbi Microの違いはアンテナ本数と拡張性
同じトライバンドメッシュWiFiルーターながら3割も安価になったOrbi Micro。
上位モデルのOrbiとはどこが違うのでしょうか?
Orbi Microはアンテナが少ない
OrbiとOrbi Microの一番大きな違いはアンテナ本数です。Orbiは内蔵アンテナが6本。Orbi Microは4本となっています。
アンテナ本数の違いは通信の最高速度の違いとなって現れます。
Orbi | Orbi Micro | |
---|---|---|
アンテナ本数 | 6本 | 4本 |
バンド 1 | 2.4GHz(400Mbps) | 2.4GHz(400Mbps) |
バンド 2 | 5GHz(833Mbps) | 5GHz(833Mbps) |
バンド 3(中継専用) | 5GHz(1733Mbps) | 5GHz(833Mbps) |
親機とAP(アクセスポイント)の中継専用の5GHzの速度に違いが出ているのがおわかりいただけると思います。
WiFiの通信速度は複数のアンテナを束ねることにより高速化が可能です。
5GHz用のアンテナをすべて束ねたときの速度差が1733Mbpsと833Mbpsという差になります。
またメッシュでカバーできるWiFi範囲も異なります。
Orbi | Orbi Micro | |
---|---|---|
WiFiカバー範囲 (1ユニット) | 175平方メートル | 100平方メートル |
Orbi MicroはLANポートが少ない
Orbiでは「親-子」や「子-子」を有線LANで接続する「イーサネットバックホール」を利用することも可能です。LAN中継は無線中継より通信がさらに安定し、高速化が望めます。
Orbi、Orbi Microは最大で「親機1台+AP3台」で運用可能です。
OrbiのLANポート数であれば、すべてのメッシュをイーサネットバックホール機能でつなげることができますが、Orbi Microでは直接接続ではポート数が足らないということになります。
Orbi | Orbi Micro | |||
---|---|---|---|---|
親機 (ルーター) | AP (アクセスポイント) | 親機 (ルーター) | AP (アクセスポイント) | |
WANポート数 (インターネット) | 1 | 0 | 1 | 0 |
LANポート数 | 3 | 4 | 2 | 2 |
Orbi Microでは力不足になるのはどんな状況?
Orbiと比べると少しスペックが劣るので通信速度が遅いイメージのOrbi Microですが差がでるのは下記の状況です。
多数のAPでメッシュを構築したとき
WiFiの電波は2つの端末と接続すると通信速度が半減します。
Orbiは5Ghz帯 1バンドを使ってメッシュを構成しますので、メッシュの構成数が増えれば増えるほど最高速度は低下します。
多数のAP(アクセスポイント)で大規模なメッシュを構成する場合はバックホールが高速であるほうが有利となります。
Orbi | Orbi Micro | |
2台構成時のバックホール速度 | 1733Mbps | 833Mbps |
3台構成時のバックホール速度 | 867Mbps | 417Mbps |
4台構成時のバックホール速度 | 578Mbps | 277Mbps |
ただしAP同士が離れている場合は下記のように直列に接続されるた、4台構成でも3台構成時のバックホール速度のを維持することになります。
親機ーーーAPーーーAPーーーAP
多数の子機(スマホなど)を接続したとき
子機との接続速度にOrbiとOrbi Microで違いはありません。
5GHz(833Mbps)
通常の使用であればOrbiとOrbi Microの通信速度に差は出ませんが、接続台数が極端に多ければバックホール速度の差が出てきます。
例えば4台構成のメッシュではOrbi 578MbpsとOrbi Micro 277Mbpsですので、例えば10台の子機をつないだ時に使える帯域は
「Orbi 57Mbps/台」
「Orbi Micro 27Mbps/台」
となります。
Orbiでは4K動画も十分視聴できますがOrbi Microでは少し帯域が厳しくなります。
ただしこれは10台が同時に4K動画を視聴した場合です。通常では考えられないシチュエーションですので一般的にはOrbi Microでも十分高速と言えるでしょう。
Orbi、Google WiFi、TP-LINK Deco M5の違いはバンド数
日本で大きなシェアを持つメッシュWiFiシステムは「Orbi」「Google WiFi」「TP-LINK Deco M5」の3機種ですね。
「Orbi」の特徴はトライバンドルーターということ。「Google WiFi」「TP-LINK Deco M5」はデュアルバンドルーターです。
これはどのような差になって現れるのでしょうか?
デュアルバンドルーターはバックホール速度が低下する
トライバンドルーターの一番のメリットは1バンドをバックホール専用にできるので子機が増えても速度を保てるということです。
1つのAP(アクセスポイント)に複数の子機(スマホ)をつないだときの通信速度は下記のようになります。
バックホール速度 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
機種 | Orbi | Orbi Micro | Google WiFi Deco M5 | ||||
構成 | 2台構成 | 3台構成 | 2台構成 | 3台構成 | 2台構成 | 3台構成 | |
子 機 | 1台 | 1733Mbps | 867Mbps | 833Mbps | 417Mbps | 417Mbps | 277Mbps |
2台 | 277Mbps | 208Mbps | |||||
3台 | 208Mbps | 166Mbps | |||||
4台 | 166Mbps | 138Mbps | |||||
5台 | 138Mbps | 119Mbps | |||||
6台 | 119Mbps | 104Mbps | |||||
7台 | 104Mbps | 92Mbps |
※Google WiFi、Deco M5の5GHz帯は共に833Mbps
このようにトライバンドルーターは接続台数が増えてもバックホールの通信速度は低下しません。
これがトライバンドメッシュWiFiが安定していると言われる所以です。
専用バックホールのデメリットは通信エリア
Orbi、Orbi Microの最大の特徴である5GHzの専用バックホールはメリットでもありデメリットにもなります。
それは5GHz帯の電波特性です。
5GHz帯は「早い」が「弱い」
WiFiに使われる周波数は2.4GHz帯と5GHz帯。
速度は5GHz帯のほうが大幅に優れるため高速なメッシュWiFiを構築するには必須の周波数帯です。
ただ問題となるのは障害物に非常に弱いという特性です。
WiFi以外には殆ど使われていないため通信が安定する
2.4GHz帯より高速に通信できる
2.4GHzと比較して壁や床などの障害物に弱い
Orbi、Orbi MicroのAP間の通信は5GHzに限られています。
大広間のような見通しの良い部屋であれば問題ないのですが「1Fと2F」「二部屋隣り」などのように壁を挟んだ状況では電波の届きがとても悪くなります。
一方Google WiFi、Deco M5は状況におおじて2.4GHz、5GHzのいずれかでバックホールを形成します。
いわば高い速度を重視しているのがOrbi、Orbi Micro。
まず繋がることを重視しているのがGoogle WiFi、Deco M5といえるでしょう。
これは優劣ではなく製品の設計思想の違いです。
Orbi、Orbi Micro、Google WiFi、TP-LINK Deco M5の選び方
同じ面積をカバーするのであればGoogle WiFi、Deco M5のほうがAPの数は少なくて済みます。
2.4GHz帯は少ない台数で広い面積をカバーできるからです。
ただし「電子レンジを使用するとメッシュ全体の通信速度が低下する」「住宅密集地では電波干渉により速度が低下する」などの問題が起こるかもしれません。
この問題を避けるためには5GHzで安定して通信できる距離にAP同士を設置する必要があります。
その場合はOrbi、Orbi Microと同じ程度のカバー面積となってしまいます。
Google WiFiは買っちゃダメ! DecoM5がおすすめ
デュアルバンドで検討する場合はGoogle WiFiよりTP-LINK DECO M5を選んだほうが良いと思います。
Google WiFiは2.4GHz帯が致命的に遅いのです。
しかもDeco M5の約1.5倍も高い販売価格になっています。
Google WiFiの2.4GHzは144Mbpsしか出ません(DECO M5、Orbi、Orbi Microは400Mbps)
しかもGoogle WiFiはデュアルバンドなのでAP間、子機間が2.4GHzで繋がってしまうとそれだけで速度が72Mbpsになってしまいます。
台数が増えればさらに帯域は狭くなり速度が低下してしまいます。
Google WiFiは性能の割に無駄に高価なメッシュWiFiといえます。
あえて積極的に選ぶ必要はありません。
デュアルバンドであればTP-LINKのDeco M5がとても高性能&格安です。
>>>安くて高性能。Deco M5の実機レビューはこちら
高速なメッシュ環境ならOrbi、Orbi Micro
理論上の最高速度で言えば間違いなくトライバンドが高速です。
また最近普及している1Gbps以上の高速光通信を契約しているのなら
大量の子機を接続するならOrbi、Orbi Microを選びましょう。
細かく区分けされた大きい家ならOrbiがオススメ。
部屋数の多い大きい家ならOrbi Microで台数を増やしたほうがWiFi圏外を減らしやすいでしょう。
まとめ
とりあえず安価にそこそこの速度の広範囲なメッシュWiFiの構築ならDeco M5。
ハイスペックなメッシュWiFiならOrbi Micro。
最高速重視ならOrbi という感じでしょうか?
メッシュWiFiは特性を理解すればとても便利な環境ですので是非検討してくださいね。
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