法人・個人事業主向けの「Amazonビジネス」が誕生しました!
なんとネット通販なのに「見積もり・掛売り・領収書」に対応!
稟議を通したり支払いをまとめたりと、いままでは会社では使いにくかったAmazonがより身近になります!
突然の停電や瞬停、雷でパソコンのデータが壊れた!起動しなくなった!
デスクトップパソコンやサーバー、ワークステーションではUPS(無停電電源装置)が必須と言えますね。
UPSで有名なメーカーと言えば海外製のAPCと日本メーカーのオムロンです。
APCとオムロンのUPS。それぞれどのように違うのでしょうか?
サーバ管理者として数十台のUPSを導入・管理してきた経験を元に両社の違いを解説します。
もくじ
APCとオムロンのUPS。エントリーモデルを比べてみる
法人向けUPSといえばAPCが圧倒的なシェアを持っています。一方、一般家庭向けUPSではオムロンです。
得意な顧客が異なるAPCとオムロンのUPSですが、実際に比べてみましょう。
ここで比較するのはAPC、オムロン共に低容量のエントリーモデルです。
まず2機種のスペックを比較してみます。
この2機種の大きな違いは給電方式と付属ソフトウエアです。
常時商用給電とラインインタラクティブ
APCとオムロンのUPSは接続機器に電力を供給する方式が異なります。
ローコストな常時商用給電
通常時はバッテリー全く介さず、商用電源からの電力をそのままスルーで出力している方式です。電源に異常が発生した場合にバッテリーに切り替わるまで瞬断(瞬間的な停電)が発生します。
瞬断は10ミリ秒(0.01秒)以下です。
パソコンやサーバに一時的に電気をためておくコンデンサが搭載されていますので、この程度の瞬断は通常は問題になりません。
高性能なラインインタラクティブ
常時商用給電と同じように通常時は入力をスルーしてそのまま出力しています。停電時にバッテリーに切り替わるまでの一時的な電力を供給する「トランス」を搭載しています。
瞬断は最大でも5ミリ秒(0.005秒)程度でより安定した電力供給を可能とします。
接続機器の耐瞬断性は非公表
パソコンやサーバーは安定した電源環境で使われることを前提に設計されています。そのため耐瞬断性(耐瞬停性)のような指標は存在しません。
それでも完璧な商用電源というのはありませんからパソコン・サーバー側である程度は瞬断対策がされています。
公表されていない指標ですが100ミリ秒でも大丈夫な機器も沢山あり、10ミリ秒程度の瞬断は全く問題になりません。
ラインインタラクティブは高性能ではありますが一般家庭向けではオーバースペックと考えられます。
APCは自動シャットダウンソフトが有料
UPSで安定した環境を作ると同時に長時間の停電時は自動でPCやサーバーを安全にパワーオフ(シャットダウン)したくなるのは当然の欲求です。
しかしAPCのUPSには自動シャットダウンソフトが付属していません。しかもWindows7以降はOS標準のUPS管理ソフトも供給されなくなっていますので別売りのソフト購入が必須です。
なおオムロンは標準で自動シャットダウンソフトが付属しています。
APCはPC毎に専用UPSを想定
自動シャットダウンソフトが別売りであるAPCのUPSですが、ソフトを使っても
1台のPC・サーバしかシャットダウンが出来ません。
1台のUPSに複数台のPC・サーバを接続し、停電時にはまとめてシャットダウンを行う。
このような使い方では専用のネットワークカードが別途必要になります。なお価格は。。。。個人ユースでとても買う気にならない価格で残念です。
なおオムロンは複数台のシャットダウンをコントロールするソフトウエアが無償で利用することが出来ます。
一般ユーザーならオムロンがおすすめ
APCのUPSはスペックの割には圧倒的に高価です。ただし長年の大規模サーバーやデータセンターでトラブル無く非常に安定して使われている安心感があります。
サーバーの電源管理が命綱になるような企業であればAPCのUPSは決して高価なものではないでしょう。
しかし一般家庭向けであればAPCのUPSは明らかにオーバークオリティーです。
オムロンのUPSであれば「十分な性能」「自動シャットダウンソフトが付属」「複数台のPCの自動シャットダウンが対応」と個人ユースでは全く問題ないスペックです。
UPS本体購入日より3年間はバッテリ無償提供を行うサービスもあり購入後も安心です。
高機能なラインインタラクティブモデル
ここまで性能ではAPCが勝ると紹介していましたがオムロンにも高性能モデルがランナップされています。
瞬断が5ミリ秒いかとなるラインインタラクティブモデルです。
常時商用給タイプよりは価格アップとなりますがソフトウエアも付属しトータル的なコストではAPCよリ安価です。
さらに高性能な常時インバーター方式
全く瞬断の発生しない常時インバーター方式のUPSもランナップされています。非常に高価になりますが万が一のトラブルも許されない環境で採用されています。
このようにオムロンはAPCに技術的に劣るのではなく、最適な技術レベルの製品を必要に応じ安価に採用したUPSを複数リリースしています。
APCとオムロンの違いは生い立ちの違い
APC、オムロン共に非常に大きなシェアを持つUPSメーカーですがシェアを抑えている分野が異なります。
この両社の得意分野の違いはメーカー自身の生い立ちに起因します。
APCは重電メーカー
みなさん「重電メーカー」というのは聞いたことはあるでしょうか?電機メーカーの中でも発電機、変圧器、大型電池などの電力設備を作っているメーカーです。
日本で言うところの三菱重工業や川崎重工業が重電メーカーにあたります。
APCブランドのUPSはフランスに本拠地を置く「シュナイダーエレクトリック」が提供しています。
発電機、変圧器など大型重電設備にあわせた無停電電源装置がベースとなっているためAPCのUPSはデータセンター向けのUPSや企業サーバー用のUPSを得意としています。
オムロンは電子部品メーカー
体温計など医療機器で有名なオムロンですが、本体はセンサー、リミットスイッチ、リレー、スイッチなど多様な電気部品を製造する電子部品メーカーです。
業務用の制御装置であるPLCも製造しており関連するUPSもリリースしています。
変わらないAPC。進歩の早いオムロン
このようにどちらも企業向けのUPSから始まったのですが、使われているメーカーの性格がUPSにも現れています。
APCは大規模法人〜一般企業向け
APCには同じものを変わらず提供する重大な責任があります。発電機や変圧器は大変長く使われ、また絶対にトラブルが許されない高い信頼性、保守性、継続性、供給性などが求められます。
新機能を追加するのではなく、絶対的に安定した製品を作り続けていると言えます。
オムロンは一般企業〜個人向け
電子機器メーカーであるオムロンの取引先は重電と比較すれば信頼性の優先度は下がります。
もちろん重電も一般企業も重要ではあるのですが、例えば発電所の機器と一般の工場で使われる機器では重要度が異なることはご理解いただけると思います。
信頼性は高いことはもちろんですが、重電向けに比べれば新たな機能や利便性を追求した製品(UPS)を作りやすい環境であると言えます。
まとめ
APCとオムロンのUPSですが違いがおわかりいただけたでしょうか?
APCのブランド力は魅力的ですが家庭用であればオムロンで十分すぎるぐらいの性能です。
それぞれの違いについて理解し、最適なUPSを選んでくださいね。